「あ、青山君は忙しそうだから....その....」


ここで俺が「じゃあ俺は暇そうに見えたの?」っていうと色々と面倒になりそうなので、何とか口から出るのを止めた。
そこで俺はあることに気づいた。



「ん?そういえば...お前も頭いいよな?」


「ッ!。あ、頭いいなんて...そんな....」


嬉しそうにモジモジしているが、俺はもう疲れたのでそれにつっかかるのはやめることにした。


「いや頭いいだろ。大体五位より上じゃねぇか。前回は二位だったし...俺より頭がいいくせに何で俺に聞いたんだ?」


「そ、...それは....」


加奈が何かを言おうとした瞬間にチャイムの音が鳴り響いた。加奈は恥ずかしそうにして「す、すいません」と消えそうな声で言いながら身を引いた。

先生がプリントを宿題にした所で授業が終わり、俺は当たり前のように教科書を机の中にしまうと、机を敦と向かい合う形に作った。


俺はすぐに本の続きを読みたいがために急いで白米が目立つ弁当を食べる。食事中にでも読みたいと思ったが、何かあっては困る。
チラッと横を見ると一人弁当を食べる加奈がこちらを半分見ていた。加奈は俺と目が合うとびくっとして、芸能人を追っているマスメディアみたいな反応をして目線を急いでそらした。


「おい栄治。このクソ野郎」