長い黒髪でとても薄い眼鏡を掛けている。いつも本を読んでいて、友達と言えるような関係の人物と会話をしている姿を見ていない。
男や女でも関係なく、話し掛けられたりするとビクビクしてしまうといったクラスの中で存在が一番薄い、言わいる"陰キャ"という子だ。
俺はこの子と喋ったことは無いわけでもない。新しいクラスになり、作ったことも無い読書仲間を作ろうとして話をしようとしても、相手はオドオドしているのであまり会話にならなかった。一番最近で喋ったのもいつ頃か覚えていない。
「なに?」
俺が答えた瞬間身体をビクっと飛び跳ねて、キョロキョロと目線が泳いだ。特に何もしてないのに何故そんな反応されるのかが理解出来なくて、ついつい微笑した。
俺の微笑した顔を見るなり一瞬時が止まったように顔を硬直して、すぐに何かを我慢してい顔を見せてキョロキョロと下の方を中心に視線を動かす。
本当に静かなのか忙しいのか良くわからない。
「あ....あの..こ、ここの問題を....教えてもらいたいっと思って....」
「ここか?........悪いけど分からねぇかな?
俺より青山に聞いた方がいいんじゃないか?頭いいし、教え方上手いだろ。」
青山は加奈の左後ろの席で熱心にプリント学習に望んでいた。言わいる優等生、常に学年トップで二位と言うところは見たことない。



