俺と千恵が別れた後、俺は病院でちゃんとした治療を受けることが出来た。俺はすぐに千恵に連絡を入れたが、千恵からの報告は"和一先生はいない、警察には女の人の事は喋らない"とだけ聞いた。

そして翌日、千恵はいつも通りに学校へ来た。千恵の話によると、俺と別れてからは女の人の姿は見ていないと言う。朝もいつも通りだったらしい。
変な疑問を持ちながらも、一緒に和一先生の所へ行ったが、和一先生はあんな話をしかけてきた癖に何も知らなかった。「あれはただ栄治君との距離を縮めたかった」っと笑いながら言われて、どっと肩の力が抜けてしまった。

何故女の人が見えなくなったのか、それが全然分からなかったが、その翌日の朝も女の人の姿は見えなかったと千恵はハシャイでいたのを思い出す。

その日の放課後、彼女は気分良く学校を去っていき、それが俺が見た千恵の最後だった。


千恵の死を知ったのはその一時間後、家でのんびりくつろいでいたが野宮さんが家を訪問してきて知った。俺は少なからずショックを受けた。不明ではあったが、千恵はもう女の人の標的にはなっていないと確信に近いものを感じていた。
自分の考えの甘さと愚かさを感じ、一人暗闇の穴蔵にいる気分だった。


今、俺は野宮さんに連れられて署の尋問部屋にて、野宮さんと坂目さんと対面していた。