「....はい。アイツ、結構こたえているみたいですっかり家に引きこもってます。その....ここでの話なんですけど、アイツは里沙さんの事を前から気になっていたので....入学当時から気にかけていて、本当につい最近話し掛けれたってキャッキャしてたくらいなんです。
だから、目の前で何も出来なくて....俺も悔しいんですけど、俺以上にアイツは悔しくて悲しいはずです。」


「....そうなの、ふふっ。あの娘も隅に置けないわね。....なのに、何で先に逝っちゃったのかしら?....親不孝するは人様に迷惑はするは....こっぴどく叱りたいところだわ。」


笑うとはしているがどうも無理らしく、声が段々弱々しくなっていく。
俺は無意識に拳を握り締めていた。


「....里沙のお母さん。すいませんが、一つだけ頼み事をいいですか?」


「え?いいけど....何を?」


「一度、家に伺って里沙の部屋に入れさせてもらえないでしょうか?」


意外な事に感じたのか、里沙の母親は潤いに満ちている目を大きく見開いた。


「何で....里沙の部屋に入りたいの?」


「....今、ここには来れてないですけど、里沙さんと関係のある事で苦しんでいるやつがいるんです。俺は力になってやりたいと思っているんですけど、どうも俺じゃあ力不足で....だけど、そいつが楽になる何かが里沙さんは持っているのかと思ったので....
お願いします!」