その反応を見て和一先生は微笑しながら話を続けてきた。


「幽霊だよ、幽霊。人玉とか地縛霊、怨霊とか。どう?栄治君。幽霊と言ったらどんな格好をした幽霊を思い浮かべる?」


「えっと....人玉とかオーラみたいなやつですかね?」


「意外だね。普通は女の人の霊とか思い浮かべないかい?僕はそう思い浮かべる。そうだな....白い服を来て、長い髪を垂れ流し....返り血を浴びている女の人の霊を思い浮かべるね。」


和一先生はあの女の人の特徴を的確に当ててきて、自然と汗が吹き出した。
和一先生はだんだんと表情を堅くした。


「...."女の人の霊"って所で思い当たる事がありそうだね。反応的に見て、君は結構最近で大きく関わったりしていない?」


この人はあの女の人の事を知っているのか?だけど、喋っていいのか?

あまりにも非現実的な事が起きているので、和一先生からは裏の顔があるに違いないと思うようになってしまう。時期も時期だし、こんなドストレートの質問をしてくるから余計そう思ってしまう。だが、千恵の力となれる可能性もある。自分には無い情報が和一先生にあるのはほぼ間違いないだろう。


「どうだい?栄治君。」


「えっと....」


答えるかどうかを迷っている中、チャイムが校舎に鳴り響いた。