第一印象があまり良く感じなかった先生の紹介を終えると、俺達は教室へ戻され普通に授業をした。
だが、今まで授業を受けていた馴染みある教室ではなく、また別室の教室だ。俺達の教室にはもれなく黄色いテープで立ち入りを禁止されていて、遊び半分で入らせないかのように花が多く置かれていた。

別室の教室は前の教室とは変わりなく、席も変動しなかった。
里沙の机の上には白い花が寂しくそこにいた。他の机もポツポツと休んでいるクラスメイトもいた。里沙と仲が良かった人が主に休んでいた。
里沙が死んでも普通に授業を行うのに違和感を感じ、少し気持ち悪い。学園祭も一週間後に変更され、少なくとも俺たちのクラス以外の生徒は楽しみにしているはずだ。

授業が終わり、俺は教科書を机にしまうとすぐに千恵の所まで行った。あの女の人が見えてから四日が経つが、千恵はまだ慣れていないのか、授業中も先生にバレない程度に下を向いていた。
授業が終わっていても、まだ下を向いている。


「千恵?お前....大丈夫か?」


話しかけてみると、千恵はゆっくりと顔を上げてこちらを見た。
俺はその顔を見てギョッとした。千恵の顔は前に見たより酷い状態だった。目の下のクマは酷く、目には生気が全く残っていなく、死にかけっといった感じだ。


「あっ、西条〜君か....どうしたの?私あんまり顔を上げたくないんだけど....」


千恵は前のような意地はりができてないほど、疲れきっていた。口元は笑ってみせるが、死人のような目はどんどん光を失っている。


「どうしたんだよお前...前より酷くなってるぞ?この二日間で何があったんだ?」