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あれから二日が経ち、俺は全校集会で体育館で座っていた。心と共同しているのか、体育館は学園祭の一日目以上に冷えきっていて、ブルブルと身体を震わしている人も少なくはない。
千恵とは最近メールでやり取りなんかをしている。まだ警察や家族には言えていないことだったり、調べてもあの女の人の情報は見つかっていないことなどが分かっている。メール越しでの千恵は普通だったが、もしかしたら震える手でスマホを操作しているかもしれないので、それが気になっていた。
教室で会った時はいつも通りに見せようとしていたが、やはりどこか怯えている。
敦は相変わらずで、メールを送っても返信をよこす、メールを確認している様子は全くと言っていいほどない。学校にも来ていない。
校長先生の長々とした話は終わり、俺たちは司会の先生の指示で里沙に向けて黙祷を捧げた。黙祷中は静けさに包まれるかと思いきや、すすり泣く音がなりやむことはなかった。
「やめ。それじゃあ、ここで皆に新しい先生を紹介したいと思います。壇上へどうぞ。」
先生の言う通りに一人のスーツ姿の男性が壇上へ上がると、生徒はざわつきはじめる。里沙が死んでからすぐに来るなんてタイミング的には出来すぎているので、当然の反応だった。



