俺はさっき起きた事が堪えているのか、倒れ込むようにリビングのソファーに寝そべり、リモコンを持って慣れた手つきでテレビを操作する。
少しでもいいから何かに釘付けになって、さっきの出来事を忘れたかった。千恵の言う女の人はそれから調べても遅くはないだろう。
溜まりに溜まっている録画メニューを見ていると、自分の好きな都市伝説の番組が目に止まった。学園祭の前日ということで、無理矢理途中できれられた番組の存在を今頃思い出し、迷わず決定ボタンを押す。
だが、自分が見れなかったところからの再生ではなく、最初からだったのでため息を吐きながら、早送りで飛ばしていた。
早送りで流れていく画面を見ながら、少し気になった事がある。俺はすぐに早送りを止めて通常送りで番組を見る。
この番組にしては一捻りも二捻りもなっていなく、少しガッカリしたあの女性の屋敷の話に登場してくる女性が、千恵の言っていた女の人のように思えてきた。
女性が出る都市伝説何て山ほどある。だが、さっきの出来事がまだ頭に入っているのと同時に、他に確信的なものが頭に浮かんだからこそ気になったのだ。
この都市伝説の番組には数多くの投稿がある。その中から厳選しているからこそ、毎回視聴者を魅力出来る話を持ってきていた。



