…………♪
鐘が鳴った
廊下が騒がしさを取り戻す
あの話しかけてきたクラスメイトがこちらに気づき走ってきた
「璃香大丈夫?!」
焦った顔
「大丈夫。」
「良かった。」
安心した顔
「これからお昼だけど璃香も一緒にどう?」
伺う顔
「少し教室で休んでるね。」
「うんわかった。」
少しホッとした顔
私は1人教室に足を向けた
今が昼休み…
次は5時間目
確か
物理
移動はない
静かな教室の空席1つに、ついて目を閉じた
私の席以外の席は埋まってなかった
隣の席も…
窓の外
隣の校舎の男子生徒がバレーをしていた
ー黒い制服
瑠佳がデザインした服
正反対な色
1回も彼がそれを着た姿は見られなかった
、黒
黒い髪
黒い瞳
白い肌
白い歯
どこかで見たような男がこちらを見て片方の口角を上げた
「璃香…
授業始まるよ。」
「ありがと、春。」
いつのまにか瞑っていた目は意外とすんなり開いた
お腹が減った
お腹がなりそうだった
バコっ
顔面にあたり机上に落ちたパン
私の好きなメロンパン
隣を見ると彼女はまだ空を眺めていた
袋を開けるとバターの香りが鼻孔をくすぐる
んー
この匂い
この見た目美味しそう!
…………………♪
ガラッ
大きな口を開けメロンパンを口内に受け入れる準備は万端
だけど歯は空気を噛んだ
授業はもう始まる…
パンを机の中に入れて黒板を見た
物理の授業は比較的楽しかった
先生はたまに滑るけどギャグも入れるし授業は早く感じた
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