兄の部屋のクローゼットを開けた。
まだビニールを被った白い制服がそこにあった




びりびり




それを外し身体に当ててみる
「似合わない…」
「似合ってるよ」



瑠佳?!
あ、違う


「すい…」

「璃香がデザインしたんだ。
1番似合ってる…」

真剣な顔でそういうから少しだけ照れた
「明日からだよ。
気分はどう?」









「多分、いい……」
















「多分?
なにそれ。」



彼は笑顔だった
だから私も笑った

















「久しぶり…」
「怖い?」





あのことがあってから学校へは行けてなかった
高等科に上がってから登校するのは明日が初めてだ





「少しね………」





すでに学校が始まってから半年が経っていた
これだけ休んで留年しないのは高等科に上がる為のテストのおかげだろう





制服を自分の部屋へ運びもう一度下へ下りた
「翡翠、髪を切って欲しいの。」

腰まで伸びた青い髪
「うん。どれくらい?」

躊躇いもなく鋏を手に取った彼はもう片方の手で私の髪を掴む

「肩よりも短く」













じゃきじゃき

可愛くない鋏の音と

バサッ

髪の毛が落ちる音が

聞こえるたびに頭が軽くなった
床に引かれたビニールの上には青がたくさん落ちていた


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