「璃香っ」 崩れ落ちた私の体を支えた翠の彼 宙ぶらりんになっていた電話を取ると何か口を動かした 冷めきった足を体の中央に寄せ彼の温もりを分けてもらう 「出かけるよ。」 いつのまにか元の位置に戻った受話器 返事をしない私を彼はじっと見た 「璃香…… りか…… 行くよ!」 荒々しく腕を掴まれ立たされる 掴まれた腕がジンジンと熱い 床へ視線を落とすと 誰のか分からないしずくがいくつも落ちて濡らしていた。 ,