けたましく鳴り響くコール音 冷たい空気を震わせ私の耳へと届いた かちゃり とをそっと押すとそれは簡単に開く 「…るか」 人の気配がない 彼の名前を呼んだ 冷たく暗い廊下その奥にあるリビング 冷えた床が足から体温を奪っていった 「…はい」 鳴り止んだ音 向こう側から少し荒い息が届く 少し間があった 「◯△病院の…です。 松坂 璃香さんで間違いありませんか?」 びょ……ん…………? 「は、い…?」