なんて、

私は絶対に恋に落ちたりはしないけど。


ていうか、軽くて冷めたキャラでやってきたのに、頑張り屋みたいなイメージをつけてしまった…?

それは一大事だ。


「一ノ瀬くんとデートしたくて頑張っちゃった♡」


さっきまでの態度とは一変、可愛く頬笑むと、一ノ瀬はすぐにつまらなさそうな表情になる。


「だからそれ、キモいって」


一ノ瀬も、さっきとは全く違う無機質な冷たい色を瞳に宿す。


「でも約束は約束だから、デートはしてやるよ。来週の月曜日、授業午前中までだから放課後で」


一ノ瀬はそれだけ言うと、その場を去っていってしまった。








「…だから、キモいってなんなの……」

ぽつりと呟く。





人と深く関わらないように。

私の選ぶ選択肢は、いつもどこか間違えているのかもしれない。