「じゅういちい、いちのせりょうへい……。……なにこれ?」
「なにこれってお嬢さん、俺の名前と順位ですけど」
私が呆けた声を出すと、一ノ瀬が呆れた顔をする。
「1位じゃないじゃん。11位て」
「そーね、まぁ1位ではないが1と1位で1が二つあるからむしろダブルで1位てきな?」
「……」
私が冷たい視線を向けると、一ノ瀬は苦笑して肩をすくめた。
「ちょっと国語で失敗した。他は全教科1位なんだけど」
言い訳と同時にさらりと自慢を挟んでくる。
…まって、国語以外全教科1位ってそれ、頭おかしいでしょ?
むしろ、どんだけ国語失敗したら11位になれるんだろう。
……まぁでも。
