きっと誰もが探している。

「お、遠野さん7位?なかなかやるじゃん」

低くて綺麗で、挑発的で、何度か聞いたことのある声。


振り向くと、一ノ瀬亮平がニヤリと笑って立っていた。


「一ノ瀬」


私は呟くと、顔を曇らせる。


「なにそれ、嫌味?あんたは1位なんでしょ?」


言いつつ、順位表の一番上を見た。

が、一ノ瀬の名前がない。


…ん?


首を傾げ、視線を下へずらしていく。

2位、3位、4位…、私の7位を通り越し、11位の場所に一ノ瀬の名前はあった。