とはいえ、ウチの両親は優秀な方だと思った。
「とりあえず掛けて、娘から何も聞いてなかったから、こんな格好でごめんなさいね」
丁度、夕飯の準備をしようとしていたらしく、母はエプロンをしていた。
「いえ、いつものゆかさんの家庭が見たいからと僕が無理を言って、連絡をしようしたゆかさんを止めたんです」
誠はそう言ってポケットから私の携帯を取り出し、ごめんね、と私にそれを手渡してから母に向き直る。
「ご挨拶に伺うとゆかさんに伝えたのも今日です。だから、ゆかさんは全く悪くありません。責任は全て僕にあります」
ああ、彼は最初からそうゆうつもりだったのだ。自分が帰った後、私が両親から非難を受けるのをよしとする人ではない、そうゆう人間だ。さっきの『言われるのはゆかさんだもん』とゆうのは彼なりの冗談だったのか。また一つ新たな一面を知った。
「長里君。君は結婚を前提にと言ったが、見た所ゆかより若いだろう。結婚とゆうものをちゃんと理解しているのか?仕事は?ゆかを幸せに出来るのか?」
続けざまに父は質問を投げかける。誠は一つずつ言葉を選ぶように丁寧に答えて行く。
「結婚を理解しているかと言われたら、正直なところわかりません。僕にはまだ経験がありません。若いと言われたら否定は出来ませんし、至らない所だらけだと思います。好きだと言う気持ちだけで結婚生活が上手く行くとも思っていません。ただ、ゆかさんが自分は幸せだと思えるように全力を尽くします」
「ゆかを幸せにする、とは言わないのかね?」
「お言葉を返すようで申し訳ありません。僕は幸せは人から与えられてなる物だと思いません。自分が幸せだと思って、それが初めて幸せになるとゆう事だと思ってます。幸せを定義する事は出来ない、なので、ゆかさんを幸せする、とゆうよりは、ゆかさんが幸せだと思えるようにする、だと考えています」
結果、同じ事を言っているように聞こえる。でも、それはとても誠らしい言い回しだと思った。
「気持ちの持ちようの問題とゆうわけか」
「はい」
誠は堂々と立ち、真っ直ぐ父を見ていた。偽らず自分の全てを知ってもらおうとしているように見えた。
「お父さん、話は後にしてせっかくなんだから夕飯を召し上がってもらいましょうよ」
まだでしょ?と、尋ねる母に私は頷く、それを見てキッチンに入ろうとした母を誠が呼び止めた。
「お母さん、凄く失礼なお願いだとわかっているのですが、僕に一品だけ作らせていただけませんか?」
母は誠の申し出に目を丸くしていた。そして、救いを求めるように私にその丸くなった目を向けた。
誠は自分の全てを知ってもらおうとしている。だから、私には彼の意図がわかった。
「彼は板前をしているの、お母さん、私からもお願い」
凄く失礼ですが、と前置きしたのは誠が初対面の人の家のキッチンに立つとゆう事の意味を理解しているからだった。
「とりあえず掛けて、娘から何も聞いてなかったから、こんな格好でごめんなさいね」
丁度、夕飯の準備をしようとしていたらしく、母はエプロンをしていた。
「いえ、いつものゆかさんの家庭が見たいからと僕が無理を言って、連絡をしようしたゆかさんを止めたんです」
誠はそう言ってポケットから私の携帯を取り出し、ごめんね、と私にそれを手渡してから母に向き直る。
「ご挨拶に伺うとゆかさんに伝えたのも今日です。だから、ゆかさんは全く悪くありません。責任は全て僕にあります」
ああ、彼は最初からそうゆうつもりだったのだ。自分が帰った後、私が両親から非難を受けるのをよしとする人ではない、そうゆう人間だ。さっきの『言われるのはゆかさんだもん』とゆうのは彼なりの冗談だったのか。また一つ新たな一面を知った。
「長里君。君は結婚を前提にと言ったが、見た所ゆかより若いだろう。結婚とゆうものをちゃんと理解しているのか?仕事は?ゆかを幸せに出来るのか?」
続けざまに父は質問を投げかける。誠は一つずつ言葉を選ぶように丁寧に答えて行く。
「結婚を理解しているかと言われたら、正直なところわかりません。僕にはまだ経験がありません。若いと言われたら否定は出来ませんし、至らない所だらけだと思います。好きだと言う気持ちだけで結婚生活が上手く行くとも思っていません。ただ、ゆかさんが自分は幸せだと思えるように全力を尽くします」
「ゆかを幸せにする、とは言わないのかね?」
「お言葉を返すようで申し訳ありません。僕は幸せは人から与えられてなる物だと思いません。自分が幸せだと思って、それが初めて幸せになるとゆう事だと思ってます。幸せを定義する事は出来ない、なので、ゆかさんを幸せする、とゆうよりは、ゆかさんが幸せだと思えるようにする、だと考えています」
結果、同じ事を言っているように聞こえる。でも、それはとても誠らしい言い回しだと思った。
「気持ちの持ちようの問題とゆうわけか」
「はい」
誠は堂々と立ち、真っ直ぐ父を見ていた。偽らず自分の全てを知ってもらおうとしているように見えた。
「お父さん、話は後にしてせっかくなんだから夕飯を召し上がってもらいましょうよ」
まだでしょ?と、尋ねる母に私は頷く、それを見てキッチンに入ろうとした母を誠が呼び止めた。
「お母さん、凄く失礼なお願いだとわかっているのですが、僕に一品だけ作らせていただけませんか?」
母は誠の申し出に目を丸くしていた。そして、救いを求めるように私にその丸くなった目を向けた。
誠は自分の全てを知ってもらおうとしている。だから、私には彼の意図がわかった。
「彼は板前をしているの、お母さん、私からもお願い」
凄く失礼ですが、と前置きしたのは誠が初対面の人の家のキッチンに立つとゆう事の意味を理解しているからだった。


