私は誠君の前に立ち、その背中に手を回した。
「もう、泣いてもいいんだよ。私が側にいるから、『彼女はもういない』けど、君には私がいるから」
誠君は私の胸に顔を埋めたまま、静かに涙を流した。それは、大人びた彼の姿ではなく、何処から見ても16歳の少年だった。泣く時でさえ、彼は優しかった。嗚咽を漏らすわけでもなく、大声をあげるわけでもなく、周りに悲しみを押し付ける事なく、ただただ静かに涙を流していた。
「ちゃんと言ってなかったね。私も誠君の事が好きです」
彼は黙ったまま静かに頷いた。
その夜、私と誠君の間に性的な要素は皆無だった。
その週の日曜日、私は元彼の部屋に荷物を取りに行った。一緒に行くと言って聞かない誠を納得させるのに多大な労力を要した。
幸い手に持てない大きな物はない、親から借りた車に放り込むように荷物を積み。最後に扉の郵便受けに鍵を落とした。チャリンと鍵が落ちる音は、思った程私の心を晴れやかにはさせなかった。
荷物を積んだまま、私はその足で不動産屋に向かった。お互いの仕事の時間のズレと、実家暮らしの所為で私達が共有出来る時間は少ない。
『ゆかさん、一緒に暮らそう。てゆうか結婚しよう』
誠がそう言った時、驚きより喜びが大きかった。だが、流石に了承は出来なかった。
『焦る事ないよ。一緒に暮らすのは私も嬉しい、でも、結婚はもう少したってからね』
不思議な気分だった。元彼と別れた理由の1番大きな結婚を、今度は自分が先延ばしにしている。もちろん、日が浅すぎるとゆう思いの所為に他ならないが、彼となら結婚とゆう形に焦る必要はないと思えたからだった。
部屋はゆかさんに任せる。と、彼が言ったので私が不動産屋に行く事になった。現実的に未成年である誠が部屋を借りるのには色々面倒な事が多い。それならば私の名前で部屋を借りた方が手っ取り早い。
家賃は7万円まで。唯一誠が付けた条件だった。お互い収入がある、正直もう少し贅沢な部屋でも余裕だと思ったが、彼にお金貯めなきゃね、と言われ、私は彼が本気で結婚を考えているのだと思い知らされた。
運良く手頃な部屋が見つかり。契約を済ませてから、家に帰り誠にメールを入れた。
『ありがとう、ゆかさん』
彼は絵文字を使わない。それなのにどうしてこんなにも感情が伝わって来るのだろう。無機質な携帯の活字なのに、私を幸せだと思わせた。
「もう、泣いてもいいんだよ。私が側にいるから、『彼女はもういない』けど、君には私がいるから」
誠君は私の胸に顔を埋めたまま、静かに涙を流した。それは、大人びた彼の姿ではなく、何処から見ても16歳の少年だった。泣く時でさえ、彼は優しかった。嗚咽を漏らすわけでもなく、大声をあげるわけでもなく、周りに悲しみを押し付ける事なく、ただただ静かに涙を流していた。
「ちゃんと言ってなかったね。私も誠君の事が好きです」
彼は黙ったまま静かに頷いた。
その夜、私と誠君の間に性的な要素は皆無だった。
その週の日曜日、私は元彼の部屋に荷物を取りに行った。一緒に行くと言って聞かない誠を納得させるのに多大な労力を要した。
幸い手に持てない大きな物はない、親から借りた車に放り込むように荷物を積み。最後に扉の郵便受けに鍵を落とした。チャリンと鍵が落ちる音は、思った程私の心を晴れやかにはさせなかった。
荷物を積んだまま、私はその足で不動産屋に向かった。お互いの仕事の時間のズレと、実家暮らしの所為で私達が共有出来る時間は少ない。
『ゆかさん、一緒に暮らそう。てゆうか結婚しよう』
誠がそう言った時、驚きより喜びが大きかった。だが、流石に了承は出来なかった。
『焦る事ないよ。一緒に暮らすのは私も嬉しい、でも、結婚はもう少したってからね』
不思議な気分だった。元彼と別れた理由の1番大きな結婚を、今度は自分が先延ばしにしている。もちろん、日が浅すぎるとゆう思いの所為に他ならないが、彼となら結婚とゆう形に焦る必要はないと思えたからだった。
部屋はゆかさんに任せる。と、彼が言ったので私が不動産屋に行く事になった。現実的に未成年である誠が部屋を借りるのには色々面倒な事が多い。それならば私の名前で部屋を借りた方が手っ取り早い。
家賃は7万円まで。唯一誠が付けた条件だった。お互い収入がある、正直もう少し贅沢な部屋でも余裕だと思ったが、彼にお金貯めなきゃね、と言われ、私は彼が本気で結婚を考えているのだと思い知らされた。
運良く手頃な部屋が見つかり。契約を済ませてから、家に帰り誠にメールを入れた。
『ありがとう、ゆかさん』
彼は絵文字を使わない。それなのにどうしてこんなにも感情が伝わって来るのだろう。無機質な携帯の活字なのに、私を幸せだと思わせた。


