自分の変化が怖くなったあの日から一週間が経った。


「百、いつチケット買いに行く?」


「最後は混みそうだしな……昼休みにする」


二年生の模擬店で販売される物はチケットと引き換えだ。
チケットは二日間、昼休みと放課後に販売される。二日間の今日、昼休みに買いに行くことにした。


「茜ちゃん、文化祭は誰かとまわる?」


速歩きで横に並び、体育館に行く途中に聞いてみた。


「うん。そう聞いて!彼氏が一緒に来てくれるって!誘ってくれた時の顔が真っ赤で可愛かった~!」


頭が真っ白になった。
これは断られたも同然だ。


そっか、急に仲良くなった私より、ずっと好きだった彼氏だよね。


「よかったね~!好きな人と一緒の文化祭って楽しそう!」


想像もつかない過ごし方を楽しそうなんて言ってる。笑顔はひきつっているかもしれない。


大丈夫、他にも誘える子はいる。それに文化祭くらい一人で行ってもいいじゃん。


文化祭を一人で過ごした後、自然消滅というのは怖いけど、なんとかなる。
来年は他の子と仲良くなればいい。


早く着替えないといけない、と嘘をついて速歩きする。
ひらひらとふった後の手で、体操服が入った袋を抱きしめた。