「で、どうなの!?ハクって記憶ないんでしょ!?謎だらけでわくわくするよ〜!」

「リーム!そこら辺に…!」



私を静止させようと腕を引っ張ってくるシーナ。

そんな私たちの荒れまくりを止めたのは、意外にも先程までおろおろして焦っていたハクだった。



「だ、大丈夫だ!」

「え、何が?」



と問い返す私に、ハクは少し俯きながらも答えてくれた。



「えっと…まず、ボクの名前の由来はなくただイントネーションが良かったから自分で適当に付けた。苗字はない。記憶を失っているからな。E級については…学園長からそこら辺の説明についてあまり知らされていないからよく分からないんだ。すまない。帽子は学園に拾われた頃からずっと被っていた。何だか大切な物に思えて帽子は取りたくなくてな…。誕生日、趣味は記憶を失っているため分からない。だが…本を読むのは楽しいな。」

「記憶を失っている理由は分からない。学園に拾われた経緯はダンジョンで気絶していたと語る学園長の配慮でここに泊まらせてもらっている。喋り方が堅い…のか?普通だと思うが…。人間誰しも顔は整っていると思うが…一応感謝する。ありがとう。親は記憶に残っていない。伝説級…先程のE級というものと関係があるのか?何処から来たのかボクにも分からないが、拾われたのは彼方東にある国…そこに存在するダンジョンで拾われた。血液型は、先日の身体検査でAだと確認されている。


…何か言い忘れていることはあるだろうか?すまない、記憶を失っていて分からないことが多いのだが…。」

「ほええぇええぇぇ……!!」



心の底から感心した私はハクの両肩をガシっと掴んだ。