ざわざわとした風がおさまり、辺りが
しぃん、と静まり返る。
人々は皆、大剣を背中に背負ったランバートに釘付けになっていた。
「おい、何をやってるそこの18歳児。」
低く響いた言葉は、もちろん鬼の形相をしたイヴァンさんのセリフである。
ランバートはそれを聞いた瞬間ぴくり、と震えた。
そしてこちらへと視線を向けて、へにゃり、と苦笑を浮かべる。
「やっ、ごめん。一派の気配がしたもんだから、つい体が動いて。」
イヴァンさんは、ランバートの言葉を聞いて眉をひそめた。
「町中で大剣振るって騒ぎを起こしたからには、敵を全員仕留めたんだろうな?」
「うん。一応、この場にいた影は全部仕留めたけど…幹部らしき奴はいなかったよ。」
イヴァンさんは、ランバートの言葉を聞いて顔をしかめる。
と、その時。
ランバートの後ろに倒れていた男性が「…ぅ……」と、小さく声を漏らした。
その場にいた全員が、はっ!とする。
イヴァンさんが、素早くランバートに尋ねた。
「斬られたらしいな。さっきの影にやられたのか。」
「うん。俺が気づいた時には、もう彼は地面に倒れていて…間に合わなかった。」
男性のシャツは血で染まっていて、顔は苦痛に歪んでいる。
ぞくり、と体が震え、人々がざわざわと騒ぎ出した、
その時だった。



