部屋の緊張感がピークに達したその時。
ダーナさんは事の核心を突く一言を発した。
「迷い苦しんだその時、ある赤子が目に留まったんだ。一派に町民の魔力を奪わせたら、私が彼らを身代わりにしたことがバレてしまうだろう?その点、国に申請すらしていない生まれたばかりの赤子なら、身代わりにしたって問題はない。自分から告げ口をすることもないしな。」
「!!」
全身の血が凍りついたような気がした。
ショック、どころの騒ぎではない。
(…ということは…私はダーナさんの身代わりに一派に魔力を奪われたせいで、魔法が使えなくなったってこと…?)
頭の中が、真っ白になった。
私が今まで虐げられてきたのはすべて、自分のせいだと思っていた。
だけどそれは、すべて目の前のこの男のせいだったのだ。
この男はすべてを知っていながらも、私のことを“悪魔の子”だと呼び、町民達を利用して私を孤立させ、真実を隠し続けてきたんだ。
「ノアちゃん。君は悪魔の子なんかじゃないよ。…本当の“悪魔”は、目の前にいるこの男だ。」



