彼の口から出たセリフに、言葉を向けられていない私でさえも、ぎょっ、とする。
(いきなりケンカ腰…?!何を言うつもりなの…?)
ランバートは、わずかに眉を寄せて続けた。
「ノアちゃんがこの町に居なければいけない理由は、“国中の混乱を避けるため”であり、“ノアちゃん自身を研究対象から守るため”なんだろ?そう、彼女から聞いたよ。」
すると、ダーナさんはその問いかけに静かに答える。
「あぁ、そうだ。私は、ノアを守ろうとしてるんだ。ノアのためを思って言っているんだよ。」
ランバートは表情を変えずに質問を続けた。
「…あんたがノアちゃんにこだわるのは、彼女がこの国で唯一、魔力を持たずに生まれた存在だからか…?」
「あぁそうだ。この世界に魔法使い以外が生まれるわけが無いのだから。」
「そう、その通りだ。…じゃあ、知らないわけないよな?ずっとノアちゃんを見てきたあんたなら。」
「…何が言いたいのかね、君は。」
静かな口調の攻防戦が繰り広げられたその時。
その戦いを大きく動かしたのは、ランバートの思いもよらぬ一言だった。
「“この世界に魔法使い以外は生まれない”。それは、ノアちゃんにも言えることだってことだよ。」
ダーナさんの顔つきが変わった。
ランバートは、静かに言い放つ。
「ノアちゃんは魔力を持って生まれてきたってことだ。彼女はちゃんと、“魔法陣”を持ってる。」
(────!!)



