「…私は、私を私として認めてくれる人たちと出会えました。彼らのような人は決して多くないでしょう。でも、私はその人たちと出会えて、生まれて初めて…生きていることを実感できました。」
私の口から紡がれる言葉を、ランバートはただ、じっと黙って聞いている。
あれだけ怖いと思っていたのに、何故だかもう迷いすらない。
この言葉を言えるのは、きっと…ランバートが隣にいてくれるからだ。
「私がいくらこの世にいらない存在だったとしても…自分が自分であることを後悔しながら生きていくのはもう終わりにしたいんです。」
私はダーナさんから少しも目を逸らさずに、はっきりと言い放った。
「私を、ここから出させてください…!」
初めて口にした本音は、悲痛な叫びとなって部屋に響いた。
今まで押し込めてきた記憶や感情が決壊したダムのように頭の中に押し寄せて、固く結んだ唇が震える。
「……話は、終わったかね。」
黙って聞いていたダーナさんは、そうぽつりと呟くと、私を見つめたまま静かに言った。
「結論から言おう。君を町から出すわけにはいかない。それは、何を言われようと変わらないことだ。」
(…!!)



