大剣のエーテル



「…あいつ、気付いてやがったのか。」


ロルフが、ぽつりと呟いた。

送信元に表示されているのは、我らがエーテルの団長の名前。

イヴァンが、わずかに口角を上げながら呟く。


「…わざわざデート中に送ってこなくたっていいのに。」


それに続いて、ルタも小さく呟いた。


「ほんとだよ。あー…バレてたと思うとすごく恥ずかしいんだけど。」


顔を手で覆うルタは、団長からのメッセージに落ち着かない様子である。

と、その時だった。


「お?皆さんお揃いで!メリークリスマスっス!」


突然扉が開いたと思った瞬間、ひょっこりと顔を出したのは、赤い鼻とトナカイの角をつけた大柄な男。


「ハロルド?!何でここに。」


ロルフが声をかけると、ハロルドはにこりと笑って答える。


「会合に出席してたんっスよ!ね?イヴァンの兄貴!数時間ぶりっス!」


「あー、そうだったな。クリスマスなのにお互いお疲れさん。」


イヴァンの言葉に、ハロルドは何かを思いついたように手に持っていた箱を掲げた。


「皆さん、もしよかったらこのケーキいるっスか?レガリアの本部長から貰ったんっスけど、1人で食べるには悲しいんで。」


「「「!」」」


ハロルドは、ケーキを持ちながらにこにこしている。

そんな彼を見ながら、エーテル達は目を細めた。

イヴァンを筆頭に、ルタとロルフが口を開く。


「悪いな、甘いの苦手なんだ。」


「疲れた。帰って寝る。」


「野郎どもと食ってもなー。」


「ひどいっスよ皆さん!せっかくのクリスマスなのに!」


ショックを受けた様子のハロルドに付き合い、しぶしぶエーテルのクリスマス会が開催された。

グラスに、キラキラとしたシャンパンが注がれる。


「さっ!皆さん!メリークリスマスっス!!」


「「「…メリークリスマス。」」」



これは、彼らの黒歴史の1ページである。


おまけside story*終


ー完ー