大剣のエーテル


**


♪〜♫♪〜♩〜♬


穏やかな旋律の曲が店内に流れる。

楽譜に目を通し、30分間連弾の練習をした。

幼い頃から馴染みのある曲ばかりで助かった。

曲の合間にちらり、と窓際の席へと視線を移すと、ランバートとノアは楽しそうに談笑しながら食事を口にしている。

窓の外に広がるイルミネーションを見ながら、いい雰囲気になっているようだ。


(…ふぅん、楽しそうじゃん。よかった。俺、ここまでついてこなくてもよかった気がする。)


ピアノの鍵盤へ指を滑らせながら、さりげなく“これって時給発生するのかな”なんて思っていた矢先

信じられない事故が発生した。


…ドォン!!


遠くの方で、何かが爆発するような地響きが聞こえた気がした。

嫌な予感がした瞬間、店内の電気が、ぱっ!と消える。


「きゃっ…?!」


「何だ、何だ?!」


一気に騒がしくなる店内。

街の外へと視線を向けると、窓から見える夜景が、どんどん光を失っていく。


「な、何が起こっているんでしょう…?」


「大丈夫、落ち着いて。」


動揺するピアニストの彼女の肩へ、羽織っていたジャケットをかける。

その隙に、胸元から素早く通信機を出し、俺は“ある心当たり”へ連絡を入れた。

プツ、と通信が繋がると同時に、通信相手に低く尋ねる。


「…ねぇ、ロルフ。アンタなんかしただろ。」


『お、そっちにも影響出てんのか?ヤベーな。』