**
《ルタside》
「お客様、ご予約はされていますか?」
先回りをして、いかにも高級そうなレストランに到着した。
しかし、ここで思わぬ事件が発生する。
(…やば。ここって、予約制だった。俺、中に入れないじゃん。)
周りはカップルだらけ。
偽装しようにも、こういうことになにかと頭の回転が早いイヴァンやロルフは不在だ。
(…居心地悪。尾行するのもバカバカしくなってきたけど、ここまで来たらやり通さないとなんだか気が済まない。)
必死に脳を回転させ、何か使えるものはないかと店内を見渡す。
するとその時。
俺の目に飛び込んで来たのは、店の脇に置かれた一台のグランドピアノだった。
(…!)
「…仕方ないな。」
「?」
俺はきょとん、とする受付嬢の前でマフラーとメガネと帽子を取る。
そして、驚いたように俺を見つめる彼女に向かって口を開いた。
「俺、エーテルとして仕事で来たんだけど。そこのピアノを弾けって王から言われてるんだよね。」
「!!ル、ルタ様…?!!嘘?!本物ですか?!」



