大剣のエーテル


と、ルタが顔をしかめた

その時だった。


「!」


ロルフが、さっ、と顔色を変える。

素早く東へと視線を向けたロルフの後に続いて、ルタも気配を察して眉を寄せる。


「“一派”か…?」


ルタの問いに、ロルフが素早く頷いた。

一気に真剣な表情になったロルフは低く呟く。


「敵は数人だな。ざっと見渡しても幹部はいない。おおかた、下っ端が手柄を立てようとしてるんだろ。クリスマスの人混みに紛れれば、悪事も働きやすいしな。」


物陰に隠れながら一派の魔力を辿るロルフに、ルタが声をかけた。


「分かった。後のことは俺に任せて、あんたは一派を始末しに行きなよ。敵の気配に気がついたら、ランバートもデートどころじゃなくなるだろうし。」


ロルフは、その言葉にニヤリと笑って薔薇色の瞳を輝かせた。


「最近、書類整理ばっかでつまんなかったんだよな。お言葉に甘えて、久しぶりに暴れてくるぜ…!」


「お願いだから街は壊さないでよ。」


「おぅ!後は頼んだ!」


やる気に満ち溢れた顔で飛び出していく青年は、タン、と地面を蹴って一派を追い始める。

素早く屋根に登り、人目につかないよう夜の闇を走る赤毛の彼は、まるでサンタだ。

さすが戦闘狂だと言わんばかりの速さに、ルタは小さくため息をついた。


「…っと、見失う。」


ルタは、はっ!としてランバート達へと視線を移し、素早く雪の降る街を駆け出したのだった。