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「おー、いいじゃねぇか!“ホワイトクリスマス”。」
「よくないよ…!すげー疲れるんだけど!まさか夜まで続ける気…?!」
碧い瞳を輝かせながら街を歩くルタ。
城下町一帯の上空を覆った魔法陣が、雨を降らせていた雲を冷やし、空から落ちてくる雨が雪の結晶へと変わる。
豪雪ではないちらちらと舞う粉雪に、街行く恋人達もみんな笑顔である。
「いいねー。寒けりゃ自然と身体をくっつけられるし。…おい、ルタ。傘をささない程度に調節して降らせろよ。」
「分かってるから命令しないでくれる?気が散る。」
「はいはい。…可愛くねぇなー。」
心なしか、前を歩くランバートとノアも距離が縮まったようだ。
あらゆる可愛い雑貨屋や本屋を経て、街はもう暗くなってきている。
腕時計を見つめたロルフが、キャメル色のコートを羽織り直しながら呟いた。
「そろそろディナーだな。」
「あぁ。店に先回りしよう。」
歩き出したルタに、ふっ、と笑ったロルフが声をかける。
「本当に優勝しやがったんだな。すげーじゃん。」
「当たり前でしょ。任された任務はやり切るよ。」
「ふーん。客席で聞けなかったのが唯一の心残りだな。ビデオとかねぇのか?ネット配信とかさ。」
「あってもお前にだけは見せない。」



