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…キィ。
「どーぞ。」
ランバートが私を連れて来たのは、城下町の路地を抜けた先にある一軒家だった。
鍵を開けて中に入ると、そこは本がたくさんある、割と殺風景な部屋。
私は、本に手が伸びそうになるのを抑え、彼に尋ねる。
「…ここは?」
「俺の秘密基地。」
「えっ!」
「なんてね。エーテルになって地元からこっちに出てきた時に借りてた昔の家だよ。」
さらり、と答えたランバートは、「たまにここに寝泊まりしてるんだ」と暖炉に火をつけながら続けた。
温かい空気が部屋を包み、室内のランプがついて明るくなる。
ドサ、とソファに腰を下ろしたランバートは、コートを脱いで背もたれに体を預けた。
緊張感が高まる私に、ランバートはきょとん、として声をかける。
「?どうしたの?隣にどうぞ。」
「う、うん。」
トサ、と彼の隣に座る。
部屋は静かで、私たちの他には誰もいない。
…きゅっ。
ランバートが、私の手の上に手を重ねた。
どくん、と体が脈打つ。
「ノアちゃん。」
「っ!…ん?」
「ちょっとだけ目ぇつぶってよ。」
「!!」
突然の展開に、私は1人で混乱した。
(ら、ランバートってば、何する気?いや、一応恋人同士なわけだし、どういう流れになってもおかしくないけど)
頭の中にドッ!と思考が流れ出す。
(ち、ちゅーかな?ちゅーかな?違うかな?もしかして、それ以上の……)
「はい。目ぇ開けていいよ!」
「ほぁっ?!」



