**
「…はーっ!美味しかったあ。」
店の外に出て息を吸うと、冷たい空気が体の中に入ってくるのがよく分かる。
澄んだ空は相変わらず白い雪を降らせていた。
先に店の外へと出ていたランバートは、トトト…、とスマホの画面を操作している。
「?お仕事?」
そう尋ねると、ランバートは小さく笑って私に答える。
「ううん。イヴァンに連絡しただけ。“今夜は帰らないから、宿舎の鍵閉めていいよー”って。」
「えっ!!!」
私の動揺もよそに、ランバートはすぐにスマホの電源を落とすと、エーテル用の通信機もオフにした。
彼は「これで仕事の連絡も入らない。」と満足げに微笑む。
どくん、と胸が高鳴った。
…きゅ。
繋がれた手から、昼間とは違う彼の体温を感じる。
温かいところにいたせいか、彼の手がさっきよりも熱い気がした。
「あ、の…、ランバート…!」
「ん?」
私の心中を察したような彼は、くすり、と笑って私に告げる。
「行きたいとこがあるんだ。…あとちょっとだけ俺に付き合ってくれる?」
(…!い、いいけど…!かっ、“帰らない”って…?)
そんな疑問をぶつける余裕もなく、私はランバートに引かれるまま夜の街を歩いたのだった。



