ランバートも彼女たちの会話に聞き入っている。
私は、そんな彼にこっそり尋ねた。
「カラオケ大会なんてあったんだね。ランバート、知ってた?」
「毎年やってるみたいだけど、見たことはないなあ。見る分には楽しそうだよね。」
私が「ランバートは出ないの?」と聞くと、彼は苦笑しながら「見せるほど上手くないもん。鼻歌ならよく歌うけどー」と料理を頬張った。
(知り合いが出てたら面白いのになあ。)
そんなことを考えつつ、ランバートとの食事を楽しむ。
と、やがてデザートが運ばれ、ディナーが終わりに近づいて来た
その時だった。
ドォン…!
「「!」」
遠くから何かが爆発するような音が聞こえた。
次の瞬間、ぱっ!と店内の電気が落ちる。
(?!)
一瞬にして真っ暗になる視界。
窓から外を見ると、街を輝かせていたイルミネーションの明かりも消えていく。
「何だ、何だ?!」
「うそ、停電…?!」
店内のお客さんたちもパニックに陥っているようだ。
「ランバート…!事故でもあったのかな…?」
「…どうだろう。仮にそうだとしたらディナーどころじゃなくなるね。」
エーテル用の通信機を取り出すランバート。
こんな時に緊急招集でもかかったら、彼は今すぐにでも現場に駆けつけなければならない。
(…行っちゃうのかな…)
不安が頭をよぎった
その時だった。
…ジャーン!
「「!!」」
店内にピアノの音が響き渡った。
♪〜♫♪〜♩〜♬
流れるような旋律が真っ暗な闇の中で聞こえる。
(す、すごい…。一瞬でお客さんたちの意識を奪った。)
騒がしくしていた人たちが、一斉に落ち着きを取り戻してピアノの音に聞き惚れる。
と、曲の最後に鍵盤が強く叩かれた
次の瞬間だった。



