ランバートとともに顔を見合わせていると、女性が店内を見渡しながら続ける。
「城下町中からのど自慢が集まって、みんな歌が上手くて私も観客として見てたんだけど…白いコートの男の人が歌った瞬間、会場がしぃんっ、てなってさ。」
「?すごくヘタだったの?」
「違う違う、その逆!みんな聞き惚れちゃって!メガネとマフラーしてたし、帽子も被ってたから顔ははっきり見えなかったけど、超美形だったの!」
テンションが上がっている様子の女性たちは店内を見渡した。
「その白コートの男の人、もう、歌手ばりに上手くてさ。繊細だけど凛としてて、声は甘くて…もう好きになりそうだった!」
「その人が優勝したの?」
「もちろん!審査員みんな満点だったよ!で、優勝のコメント求められて、その人、なんて言ったと思う?“優勝しろって脅されたので。”だって!」
「わー!彼女かな?イケメンでハイスペックなのに、尻に敷かれてるんだ?」
「あはは、ギャップだよね。彼女さんと来てるかなーって思ったけど、いないみたい。もう来た後なのかなー?」



