大剣のエーテル


“ぐぅ…”


「「!」」


いい雰囲気の時に突然鳴るお腹。

数秒間、聞こえていないふりをしていたランバートが、堪え切れなくなったように「ぷはっ!」と吹き出す。


「ご、ごめん。お腹すいてて…」


「うん、俺も。あはは!ノアちゃんはお腹まで素直だね。」


と、その時。

ランバートがふと何かを察したように、はっ!とした。

わずかに変わった雰囲気に首を傾げていると、私の視界に一瞬だけ“ありえない光景”が映った。


(…?!)


雪の降る屋根の上を、1つの影が素早く駆け抜ける。


「!ら、ランバート!今、屋根の上を誰かが走ってなかった?」


「え?」


ふと頭上を見上げた彼は、数回まばたきをして、わずかに口角を上げる。


「んー…、サンタさんかな?」


「っ、えっ?」


「ほら、今忙しいんだよ。きっと。」


(そ、そんなわけはないと思うんだけど…。魔法使いの国では本当に存在したりするのかな?)


ランバートは、悶々と考え込む私をよそに、どこかにこにこした様子で再び歩き出したのであった。