すると、ランバートは「んー。」と首を傾げて私に答えた。
「非番って聞いてるけど…今朝、廊下ですれ違ったイヴァンはいつもの黒スーツを着てたな。」
「大事な予定でもあるのかな?」
「どうだろうね。クリスマスだし、ドレスコードが必要なところにでも行くんじゃない?」
私が「好きな人と行くのかな?」と尋ねると、ランバートはあはは、と笑って私に答えた。
「イヴァンは殺し屋オーラを出さなければただの美人さんだからねー。恋人の1人や2人はいるかもね。」
私がくすくすと笑うと、ランバートはにこり、と笑みを浮かべて続ける。
「そういえば、俺がエーテルになって初めてのクリスマスの時、イヴァンがケーキ作ってくれたなあ。」
「えっ!すごい!」
「イヴァンって、基本なんでも出来るし怒ってても最終的には甘やかしてくれるから、俺が食べたいって言えば愚痴言いながらも作ってくれるんだよね。あの人甘いの苦手なのに。」
「イヴァンさんって昔から世話焼き体質なんだね。」
笑いをこらえきれずにそういうと、ランバートも「イヴァンは案外流されやすい人だからさ」と笑った。
私の知らない団員たちの裏話を、ランバートはたくさん知っているようだ。
(そりゃそうだよね。5年も一緒に仕事してきたんだもん。)
私は、わくわくしながらランバートに尋ねた。
「そういえば、ルタもクリスマスは予定があるって言ってたよ。もしかして、彼女なのかな?」
「あー、それは分かんないな。ルタの私生活は謎に包まれてるから。聞いても教えてくれないし。」
好奇心の質問を冷ややかに躱されている光景が目に浮かぶ。
ランバートは、苦笑しながら私に続けた。
「ロルフは今ごろ、綺麗なお姉さんと街を歩いているかもね。」
「ふふ、ちょっと想像つく。」
数人の美女に囲まれて酒場にでもいそうな雰囲気だ。
だけど、あのロルフが信じられないほどお酒に弱いと知った時は驚きだった。
祝賀パーティーで酔いつぶれて寝ていた記憶が蘇る。



