思わず照れていると、ルタが本題に戻るように尋ねた。


「…で、クリスマスはデートとかしないの?恋人たちの一大イベントじゃん。」


「!」


私は、苦笑しながらルタに答える。


「実は、ランバートが1日仕事みたいで…」


そう。

普段忘れそうになるが、ああ見えてランバートはエーテルの団長である。

イヴァンさんがバリバリと仕事をこなして時間を調整しながら任務を進めているようにも見えるが、王との謁見や城の幹部達との会合はすべてランバートの仕事なのだ。

クリスマスにもちょうど大きな会合があるらしく、クリスマスイブも、その前も…

もちろん今日もその事前準備に追われているらしい。


「ランバート、一派のアジトに乗り込んだ任務が終わってからずっと忙しいみたいなんだ。会えるのは仕事が終わった夜とか、お昼の間だけだし…。」


私の呟きを聞いたルタは、“マジかよ”と言わんばかりに目を丸くする。


「まさか、今まで一度もちゃんとしたデートしてないの?3ヶ月は経ってるよ?衝撃なんだけど。ほんとに付き合ってるの?」


「ちゃんと付き合ってるつもりだよ?!ち…ちゅーぐらいはするし…」


「してなかったら逆に驚きだよ。…ってか、どさくさに紛れてノロケないでくれる?」