…すっ
ランバートが、再び体を屈めた。
距離を縮める整った顔に、慌ててきゅっ、と目をつむる。
(…?)
「…なんで止まるの?」
「んー、キスを待ってるノアちゃんが可愛くて」
「からかわないで…!」
くすくすと笑う彼は、やっぱり意地悪だ。
「ごめん」と軽く謝るランバートは、私の腰を抱き寄せる。
彼の選んだドレスを着て、彼の腕の中に包まれた。
(あぁ。私はもうとっくに、この人に囚われている。)
お互いを確かめ合うような深いキス。
さっきより甘い大人な口づけにまた体の力が抜けそうになった。
きっと、わざとだ。
腰を支える彼は、私が耐えられなくなるのをとっくにお見通しだろう。
(…ほんと、ずるいよ…)
彼の熱に溺れそうになる意識の中
私はふとそんなことを思ったのだった。
**
「…お、どこ行ってたんだよ。もうパーティも終盤だぞ?」
会場に戻った私たちに声をかけたのはイヴァンさん。
琥珀の瞳の彼の隣に立つルタも私たちを見つめている。
ランバートはきょろきょろと辺りを見回した。
「あれ?ロルフは?」
「あいつならベロベロに酔っ払って“だめになりそー”とかほざいて客室で寝てるよ。…もう、酒弱いくせに飲むんだから。」
冷たく言い放つルタに私とランバートは苦笑する。
イヴァンさんはランバートに向かって続けた。
「エーテルの団長として王に挨拶するんだろ?早く行ってこい。料理は取っといてやるから。」
「あー、そうだったー!ありがとう。」
その会話に、ルタが私に声をかける。
「ノアも一緒に行ってくれば?あんたも任務に貢献した1人なんだし。」
「えっ、いいの?」
ドキドキしながらランバートとともに歩き出す。
するとその時。
はっ、とした様子の保護者組が、わずかに目を細めた。
「おい、ランバート。」
「待って、ノア。」
「「?」」



