(す、すごい…。さすがエーテル。)
ロルフは、颯爽と客船へと乗り込んで行く。
そんなロルフに続き、イヴァンさんとルタとともに客船へ足を踏み入れた。
船内は煌びやかな装飾が施されていて、船の上とは思えない安定感だ。
コツコツ…
廊下に光るシャンデリアに見惚れ、ヒールを鳴らしていた
その時だった。
…ふわり
「!」
窓から見える甲板に、ミルクティー色の髪の青年が立っている姿が見えた気がした。
風になびくその髪には見覚えがある。
(ランバート…?!)
しかし、はっ!とした瞬間には彼の姿は消えている。
甲板には、忙しそうにパーティーの準備を進めている城の兵しかいない。
(…会いたすぎて目がおかしくなったのかな。)
まばたきをしてみるが、ランバートの姿は見えなかった。
「どうしたの?ノア。」
ルタが私の後ろから声をかける。
「ううん…、何でもない。」
「?そう。」
(もう、ランバートは船内に来てるのかな…?)
ぐるぐると考えながら、私はエーテル達とともに客船のホールへと向かったのだった。



