きょとん、とした声を上げると、ルタがバックミラー越しに私を見て爆弾発言をした。
「何とぼけてんの?あんたら両思いでうまくまとまったんでしょ?」
「えっ?!!!」
突然の展開に、誤解が発生していることに異議を唱える。
「ち、違うよっ!私とランバートはそんな関係じゃ…」
すると、私の隣に座っていたロルフが目を見開き、さらなる爆弾を落とした。
「あ?ランバートにキスマーク付けといてまだ付き合ってなかったのかよ?」
「?!!!!」
かっ!と、顔が赤くなる。
(ばっ、バレてた!…ってか、首に包帯巻いてたのに、みんな知ってたの?!)
「あれはそういうやつじゃないよ…!」と必死に弁解するが、ロルフはからかうように口角を上げ、イヴァンさんも納得いかないような顔をしている。
「俺の目の前であんだけ2人の世界に入っといて、恋人じゃあないとはな。」
離島でのことをイヴァンさんに掘り返され、私はぐぅの音も出ない。
「わ、私とランバートのことはもういいでしょっ!早く出発しよう…!」
誤魔化すようにそう声を上げると、イヴァンさんは、ふっ、と笑って「そうだな。」と呟いた。
ナビを入力し終えた彼に、私は尋ねる。
「そういえば、パーティーの会場ってどこなの?」
するとイヴァンさんは、ドサ、とシートにもたれ、軽くネクタイを緩めて答えた。
「秘密。楽しみにしときな。」
(えぇ…?)
団員たちは、私の反応にそれぞれ笑みを浮かべた。
ルタがサイドブレーキに手をかける。
「ルタ。突き当たりの角を右折な。」
「はいはい。」
ナビの画面を見て告げたイヴァンさんに、ルタはすっ、とアクセルを踏んだ。
…こうして、私たち4人を乗せた車は、ブォン、と祝賀パーティーの会場へと走り出したのである。



