「へぇ…、俺、そんな顔してた?そんなに見つめないでよ。いくら俺が一般人でも、モデル料貰うよ?」
「…!」
微塵も焦っていないような余裕の声が響いた。
その声の主はもちろん、大剣を手にしたランバートである。
(…何、を…?)
先ほどまでとはまるで別人の態度に、つい動揺が生まれる。
カイも戸惑いを隠せないようにランバートを見上げていた。
その時。
ピピピピ…!、と小さな電子音が再び聞こえた。
ランバートが応答のスイッチを押すと同時に、通信相手の待ちきれないといった様子の声が響く。
『おい、ランバート!こっちはとっくに準備万端だぞ!まだかよ、おっせーぞ!』
「あー、ごめんごめん。意外と影の量が多くてさ。手間取っちゃった。」
(この声…!相手はエーテル団員のロルフか…?!)
ふと、この場にいない赤髪の戦闘狂を思い出す。
一派との全面戦争ともなれば1番に突っ込んできそうなあの男が不在であるのは、今考えてみればおかしい。
ぞくり、と得体の知れないものが足に絡みついた気がした。
《フォーゼルside*終》



