ぞくり…!
自分に向けられていないとわかっていても、体が震えた。
弱い自分を認めたくなくて、憧れていた団長を罠に陥れることで強くなったと思い込もうとしているんだ。
カイは、一派に堕ちたんじゃない。
それよりも、もっとタチの悪い孤独の深淵へ。
誰も引っ張りあげることが出来ないほどの暗い闇の底に落ちてしまったんだ。
…ドクン…!
カイの胸元に鈍く輝く幻夢石が、大きく脈打った。
まるで、彼の闇に共鳴するように。
もう、この状況を打破する方法などない。
(…エーテルもここまでか。もう少し骨のある奴らだと思ってたのに。)
ヒュウ…ッ
微かに、冷たい風が島の木々をざわめかせた。
急に音を立て始めた葉は、まるで荒れ地に立ち上る魔力に反応しているようだ。
それか、なにかの前兆を感じているのだろうか。
この先に起こるであろう、“絶望”を。
俺が小さく息を吐き、エーテル達を始末しようと魔法陣を広げた
その時だった。



