そこに現れたのは、厳つい車椅子に乗ったお婆さん。
杖を持ちながら大声でこちらに手を振っている。
顔がこわばるルタをよそに、子ども達はにっこりと笑ってお婆さんに駆け寄った。
「ババさま!」
「ただいま!!」
(ババ様…?あの方が?)
「おー!よく帰って来たね、エンジェル達!寒かったろう?早く奥の部屋に入りなさい。」
「「「はぁい!」」」
8人の子ども達は、それぞれ挨拶を交わして聖堂の奥へと帰っていく。
その時、全ての子ども達を見送ったお婆さんが、ギュン!と車椅子をこちらに向けた。
カタカタカタカタ!!!
急速に絨毯の通路を進む車椅子。
狙いを定めたかのように、一直線にこちらに向かってくる。
もはやホラーである。
(は、速いっ?!)
私たち達が面食らっていると、お婆さんはキキィッ!とルタの前で急ブレーキを踏み、ガタン!と車椅子を停車させた。
「おー!よく帰って来た!仕事はどうだ?よしよし、相変わらず肌もつやつやだねぇ!さすが私のルタ…!」
「ちょ…、近いから…っ!」
全身から愛が溢れ出ているお婆さんは、ルタを見上げて満足げに頰を撫でている。



