ルタがぴしゃり、と一喝すると、子どもたちの中の1人が、むぎゅ、とルタに抱きついた。
「ルタにぃ、おかえり!!」
(“ルタにぃ”…?)
きょとん、としていると、イヴァンさんが目を細めてルタに尋ねる。
「なんだ?まさか全員“キョーダイ”か?」
「うん。血は繋がってないけど。」
(え…?)
1人ひとりの頭を撫でたルタは、私たちの方へ視線を向けて言葉を続けた。
「この子たちは、俺がエーテルに入るまで一緒に町の教会で暮らしてた家族。みんな、何かしらの理由で親を失った孤児たちなんだ。…俺も含めてね。」
(…!)
どくん、と胸が音を立てた。
目の前で愛らしくルタの帰還を喜んでいる子どもたちが、みんな親を失った孤児たちだなんて信じられない。
温かさ溢れる彼らは、まるで本当の兄弟のようだ。
イヴァンさんが「ほぉ。」と目を見張りながら呟く。
「まさか、ルタがこんな大家族の兄貴だったとはな。通りで、子どもの扱いに慣れてるわけだ。」
(そういえばルタは、診療所の町でも、フェリシアちゃんにすごく懐かれてたっけ。オルガン引いてあげるくらいだもんね。実は子ども好きなのかな。)
ロルフが、まつ毛を伏せながら尋ねる。
「あれ?お前、小児科医だったっけ?」
「外科医だよ。あんたの傷も散々治してやっただろ。」



