大剣のエーテル


ランバートは、朝からサンタのような大きな荷物を抱えていたはずだ。

記憶では、トロッコから飛び降りた時にも担いでいた。

「あー、あれね。」と答えたランバートは、にこりとして続ける。


「あれは“然るべきところ”に置いてきたよ。もともと鉱山で使おうと思ってたものだからね。」


(…?結局、中身は何だったんだろう?)


きょとん、と首を傾げた

その時だった。


「…あ…。」


隣で、ロルフが無意識に声をあげた。

彼の視線の先を見て、私も絶句する。

私たちの態度に「?」とまばたきをしたランバートが振り向くと、そこに立っていたのは真っ黒なスーツの男性と白衣の青年。

2人の眼光は、震え上がるほど鋭い。


「…よぉ、ランバート。12時間ぶりだな。」


「ずいぶん、俺たちを“利用”してくれたね。」


(こ、殺される…!)


今にでも魔法陣を広げて攻撃しそうな2人に、ランバートは慌てて訂正する。


「違う違う!俺は、きっとイヴァン達ならこの作戦を成功させてくれるって信じてたから任せたんだよ!“利用”じゃなくて、“信用”だよ…!ね?」


そんなランバートの言葉にも一切表情を変えず、ドス黒いオーラを放つ保護者組。

すると、ランバートはガサガサとコートのポケットに手を入れた。

そして、殺気をまとう彼らに、すっ、とあるものを差し出す。


「はい、イヴァンにはこれ!なかなか市場に出回らない高級タバコ。はい!ルタにはクラシック音楽集のCDと、紅茶セット。ずーっと欲しいって言ってたよね!」


「「!!」」


(…っ!用意してたんだ…!怒りを静めるワイロ…!)