「…やられた…」
この場にいない団長の真の策に気がついたルタが、放心状態で呟いた。
と、次の瞬間、一気に森を抜ける。
ふわり、と体が浮いた感覚に包まれたその時、数分前のランバートの声が蘇る。
“後は頼んだよ”
“…ごめんね。”
「「「あのやろーッッッ!!!!」」」
エーテルの3人が叫ぶと同時に、ぐらり、と視界が反転する。
レールが途切れた先に広がるのは、青の世界。
「きゃぁぁぁっ!!」
トロッコは、真っ逆さまに海に落ちていく。
「ガキども!掴まれ!!」
イヴァンさんの指示が飛び、ルタが碧眼を輝かせた。
パキパキパキ…ッ!!
空中に形作られていく氷のレール。
海の水を吸い込むようにルタが魔力を放つ。
ガタガタガタッ!!!
トロッコが大きく揺れ、氷のレールにタイヤをつける。
ガガガガガガッ!!!
氷の削れる音が、耳に響く。
ぎゅっ、と目をつぶってひたすら揺れに耐えていると、やがてぴたり、と揺れが収まった。
「…う……?」
ゆっくりと目を開けると、辺りは海。
頭上には先ほどまでいた鉱山がそびえ立っている。
そして、隣にいるのは死にそうな顔をしたルタと、相変わらずトロッコの発電を続けるイヴァンさんの姿。
ロルフだけが、最高級のアトラクションを終えたかのようにキラキラとした瞳で笑みを浮かべている。
「あっはっは!さすが団長!“裏技”ってこういうことかよ。ジェットコースターみたいだったぜ!」
「「笑ってる場合か!死にかけたわ!」」



