大剣のエーテル



ゴォォォオッ!!


さらに速度を上げて走るトロッコ。

それはイヴァンさんが魔力を強めたからではない。

森の出口に向けて、レールが下り坂になっているからだ。


「おい!あれを見ろッ!」


ロルフの切羽詰まった声にレールの先を見ると、その先に広がるのは“空”と“海”。


「オッサン!ブレーキ!!」


「ねぇよ、んなもん!!」


トロッコは、さらにガタガタと不安定な音を立てながら“ゴール”に向かっていく。

その時「…“アレ”か…!」と呟くルタ。

彼に全員の視線が集まった瞬間、私の頭の中に今朝の宿屋での会話が蘇る。


“海の上を走る列車があればいいのにね。”


“…そうか…、その手があった…!”


ルタとランバートのやりとりも、同時に再生された。


“ねぇ。ルタの氷の強度って、どれくらい?”


“?何、いきなり。”


“いいから。教えて?”


“…まぁ、象が踏んでも壊れないよ。”


記憶の中の翡翠の彼の笑顔が、黒く染まっていく。


“いーこと思いついた!最短のルートがあるよ。”