その声の主は、ランバートだった。
彼は、背中に背負う大剣に、すっ、と手を伸ばす。
ルタが、動揺して彼に叫んだ。
「まさか、ここでそのデカい剣を振る気?!やめてよ、死人がでる!」
「違う違う。“ここでは”剣を抜かないよ。」
(え…?)
ランバートのセリフに、違和感を覚える。
それと同時に、嫌な予感が頭をよぎった。
ランバートは流れるように、ガタ、とトロッコに足をかける。
「!ランバート…?!」
(まさか、トロッコを降りて1人であの影たちを相手するつもり…?!)
ほかの団員たちも、それを察したようだ。
ロルフが目を見開いて声を上げる。
「何考えてんだランバート!お前が降りるなら、俺も降りる!俺たちを逃がすためにお前が囮になるなんて、認められねぇ!」
ガタガタと揺れるトロッコの上で、ランバートは少しも焦っていない口調で答えた。
「心配ないよ。“アレ”は俺1人で片付けられない量じゃない。」
(そういう問題なの…?!)
イヴァンさんが、動揺したように口を開く。
「おい、ランバート!お前、トロッコを降りたらどうやって俺たちと合流するつもりだ?!こんな山の中ではぐれたら、移動手段がねぇだろ!」
「あー、平気平気。ちゃんと考えはあるから。」



