大剣のエーテル


と、その時。

目の前に立っていたロルフが、好戦的な笑みを浮かべて薔薇色の瞳を輝かせた。


「はっ、面白れぇっ!全員まとめて、俺の炎で“ケシ炭”にしてやるっ!」


「ちょっと!やめろ、ばか!お前がここで暴れたら、この木造のトロッコごと火だるまになる!」


ルタが、ぐんっ!とロルフのワインレッドの髪の毛を引っ張った。

手綱を引かれた馬のようにのけぞったロルフは、「ぐはっ!」と苦しげにうめき声をあげる。

いつも遠距離から敵を仕留めているイヴァンさんも、今はトロッコを走らせることに魔力を使っているため銃を構えられない。


(ど、どうすればいいの…!)


そうこうしているうちに、どんどん影たちは距離を詰めていく。

どくん、どくん、と心臓が鈍く音を立てたその時。

ルタが、ふっ、と冷気を体にまとわせた。


「…俺が仕留める…!」


獲物を狙う獣のように、綺麗な碧眼が光を宿す。

ルタが、ぎらり、と戦闘モードに入った瞬間。

彼の肩に、ぽん、と手が置かれた。


「だめ。ルタは、魔力を温存してて。」


「は…?」