大剣のエーテル


(…!)


言葉が、見つからなかった。

胸のつかえが取れて、喉を締め付けていた心ない言葉の呪縛が解き放たれた気がする。


「ここに…泊まってくれるんですか…?」


やっとの思いで出た言葉は、それだった。


「?当たり前だろ。なんだ?まさか、今さら追い出す気じゃないだろうな。」


本気で眉をひそめてそう答えた彼に、私は混乱に近い感情を覚えた。


(…なんか、変だ。心が、おかしい。)


「あ、あの、私、森に行って熊でも狩ってきますね!この家、食べ物ないので!」


「え、あ、おい?!」


私は、とりあえずこの場に居づらくなって、ぱたぱたと駆け出した。

イヴァンさんは、森へ入っていく私を見つめ、きょとん、として目を細める。


「…熊…」


ぽつりと出た低い声が一人きりの部屋に響く。


「…数分前に会った他人に留守番を任せて鍵も持たずに飛び出すなんて…。やはりあいつには“警戒心”というものがないのか。…それとも、ただの馬鹿なのか…?」


そんな彼の呟きは、動揺がおさまらない私には届かなかったのです。