ロルフは、どこか遠い目をして続ける。
「…きっと、俺たちの知らない何かがあったんだろ。カイはエーテルの仲間全員に敬語を使うような真面目な奴だったけど、歳が近いってこともあって、特別、ランバートに懐いてたからな。周りが引くくらいランバートを慕ってた上に、常に団長の後を付いて回る姿は、まるで“カルガモの親子”みてぇだった。」
過去の事件を語り終えたロルフは、少し疲れたように小さく息を吐いた。
ドサ、とソファの背もたれに寄りかかった彼に、私は尋ねる。
「あの…、ランバートは、どうしてカイさんを追いかけに行ったの?爆弾魔がカイさんだったとしても、レガリアに任せればいい話なんじゃあ…」
すると、ロルフは、ふっ、と私を見た。
きらりとした薔薇色の瞳に私の姿が映される。
「“どうして”って…そりゃ、ランバートは王にカイを探すよう、命じられてるからな。」
「?何のために?」
と、私が尋ねたその時。
ロルフは顔色一つ変えずにさらり、と答えた。
「“カイを始末すること”が、ランバートに任された特別任務だからだ。」
「!!」



