大剣のエーテル


鍵を開け、中へと案内する。

ギィ…、と扉が軋み、イヴァンさんは少し躊躇しながら私の後に続いて足を踏み入れた。


中は木で出来た家具が並ぶ、わりと殺風景な部屋だ。

私は、無言のままのイヴァンさんに向かって声をかけた。


「ボロい…、ですよね。すみません。食べ物もあまりなくて、本当に寝床をお貸しするくらいしか出来ないんです。」


「…あー、いや。俺は元々無口なんだ。別に引いているわけじゃない。掃除も隅々まで行き届いているいい家だ。…えーと…。今まで、一度も引っ越しを考えたことはなかったのか?」


イヴァンさんは恐そうな外見に似合わず、意外と嘘がつけないらしい。

気を遣って誤魔化した最後の最後で、本心がポロリと出てしまったようだ。

私は、苦笑しながら彼に答える。


「ここは、身寄りがない私の為に、町長であるダーナさんが無償で貸してくれている家なんです。贅沢は言えません。私みたいな魔力も持たない“悪魔の子”には、この家も勿体無いくらいなんです。」


「…え…?」